おすすめの本

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☆おすすめの本☆『神』 フェルディナント・フォン・シーラッハ 著 
 推薦者:天野聖悦(一般教育)

 スイスでは、不治の病を患っていたり、耐え難い苦痛や障害のある患者に対して、医師が直接患者に薬物を投与すること(安楽死)は認められていませんが、医師が致死量の薬物を処方し、それを患者本人が自身に投与することで死期を早める制度(臨死介助、自死幇助)は法的に整備されています。欧米ではこの臨死介助の法制度が拡大しつつある一方で、日本では延命治療の中止(尊厳死)についてのガイドラインはあるものの、それに関与した医師の責任を明確に免除するような法律はいまだ存在しません。欧米と日本とで、「死」に関する考え方が異なるのだと言うこともできますが、その欧米でも、臨死介助の制度を巡っては様々な考え方があります。
 本書は、現在の臨死介助制度についても様々な考え方があることを前提としながら、そこから一歩踏みだし、肉体的にも精神的にも健康であるにもかかわらず、最愛の妻を亡くしたことで生きる意味をなくしたとする者も臨死介助の対象とすべきかどうかを、公開の討論会で議論するというリアリティある戯曲です。
 一体、「自分」の所有者は自分か神か、「死ぬ権利」は認められるのか、法学、倫理学、医学、神学の観点が錯綜するなか、最終的な判断は討論会の参加者とこの本の読者に委ねられています。倫理学、法学の専門家らによる付録のエッセイも手がかりに、もしこの討論会に参加していたら、賛成と反対、どちらに投票するだろうか、自分の考えを整理してみましょう。

 

神

 

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(駿:942.7||Sc3  船:942.7||Sc3 )
※表紙画像は紀伊國屋書店BookWebから提供されています。
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