技術は科学とは相性がよい。科学技術という言い方もある。科学・工学は、普遍性・一般性を有し、その知見は、他でも容易に普及しやすい。たとえば機械は、同じ環境で予定された操作をすれば、同じような機能なり成果を生み出す。けれど、まちづくり、地域づくりの領域では、そうはいかない。同じ施策・取組みを行っても、諸要素が複雑に絡み合い、そこに住民の行動基準や、地域固有の暮らしの文化などが作用しあう。疲弊や衰弱した地域では、さらに複雑な反応・挙動が生じる。
ここ10数年来、地方創生や復興等を研究し、ライフワークとして実践にも取り組む。そのなかで、妙に私たちの科学・西洋の見方の対極にある「東洋的な見方」に惹かれる。これらが、激しく揺れ動く「減少社会の」のひとつの見方を提供してくれるように思えてならない。複雑な問題に対し、複眼的な見方をもたらし、きっと自在遊戯な発想をもたらしてくれるに違いない。古典的な名著になるが、鈴木大拙の『東洋的な見方』をお薦めしたい。
図書館ではこの単行書を所蔵
(駿:188.8 || Su96 船:188.8||Su 96 )
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