おすすめの本

おすすめの本

☆おすすめの本☆ 震度7の生存確率 仲西宏之, 佐藤和彦著 / 推薦者:伊掛浩輝(物質応用化学科)

寺田寅彦の有名な警句として、『天災は忘れた頃にやって来る』がありますが、どうもご本人の書いた書籍などには見当たらないようです。関東大震災後、寺田寅彦と今村明恒が調査団として赴き、防災対策ができていないことを指摘して、そのような主旨のことを言ったことに端を発するようです。事の真相はよくわかりませんが、防災対策における核心部分を指摘したことには変わらないように感じます。
 理工学部では、後期ガイダンス後の避難訓練、12月には防災教育、また、私が所属します物質応用化学科では、3年生後期に、配属した研究室ごとに避難訓練を実施しています。学部や学科の取り組みのお陰で、少なからず私も、防災に対して意識するようになりました(やや自画自賛ぎみですが・・・)。たまたま、書店で目にした『震度7の生存確率』というタイトルが気になりまして、本書を手に取りました。
 この本では、『あなたの生存確率は?』から始まり、簡潔なクイズ形式で読み進むことができます。後の章では、これまでのデータと詳しい解説が添えられておりますが、本書の特徴として、発災、その瞬間の行動について力点を置き、生存確率として示すとともに、誤った行動、リスクの高い振る舞いに対して解説されている点は、他の書には無いのではないでしょうか。日本では、新耐震基準など、土木技術や建築技術がとても高く、ハード面での被災深度は徐々に少なくなっていくようですが、ただ、長周期地震動での棚や机などによる危険性は依然として高いままのようです。耐震技術の向上とともに、発災時の取るべき行動も変わって来ています。学内では、固定具や耐震補強など様々なケアーがなされておりますが、そう言えば、はたと自宅が手薄であったことを思い出しました。はたして、私やあなたの生存確率は何パーセントでしょうか? 『天災は忘れた頃にやって来る』。今一度、肝に銘じたいと思います。

図書館ではこの単行書を所蔵
駿:369.31||N 38、船:369.31||Sh

※表紙画像は紀伊國屋書店BookWebから提供されています。
 こちらをクリックすると紀伊國屋書店BookWebページが開きます。

ページトップへ