おすすめの本

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☆おすすめの本☆ 江戸の科学者―西洋に挑んだ異才列伝― 新戸雅章著 / 推薦者:田邊一夫(短期大学 ものづくり・サイエンス総合学科)

「引力」,「万有引力」,「分子」,「真空」,「重力」,「遠心力」,「動力」,「速力」という我々にとって常識的な物理用語が,江戸時代の科学者 志筑忠雄によって発明されたことをご存知だろうか? かく言う,紹介者はこの本を読むまで知らなかった。 志筑忠雄は「鎖国」,「植民」も発明した。 ここで発明という言葉を用いたが,これについては,「当時の日本では,西洋の科学観は未紹介だったし,原語に相当する概念も存在しなかった。その中での翻訳作業は,まさしく言葉の発明と呼んでもよいものだったのである。」と著者が述べている。 これらの言葉は,イギリスの自然哲学者ジョン・ケイルのニュートン物理学に関する著書を訳すにあたって発明された。志筑忠雄はこれらの言葉をつかって,まったく自然観や物質観の違う東洋と西洋を思想的につきあわせ,自然界を統一的に解釈しようとした。 なんとも凄い科学者が江戸時代の日本にいたものである。
本書には,学生諸君もよくご存知の,あのエレキテルで有名な平賀源内,数学(和算)の大家といわれる関孝和,医学で高名な緒方洪庵なども紹介されている。
ご一読あれ・・・

図書館ではこの単行書を所蔵
(船:281||E )

※表紙画像は紀伊國屋書店BookWebから提供されています。
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