おすすめの本

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☆おすすめの本☆ ローマ人の物語 Ⅹ 「すべての道はローマに通ず」 塩野七生著 / 推薦者:下辺悟(交通システム工学科)

著者は古代ローマにまつわる種々の執筆活動のため,長年イタリア在住しながら,綿密でかつ精力的な調査活動により,女性ならではの緻密で細やかな視点から古代ローマという都市国家の興亡を鳥瞰的に鋭く洞察している。この本の題目の通り,シリーズ化(全15巻)された単行本の一部であるが,「水」と「道路」という高度なインフラ技術を手中に収めた,古代ローマ帝国がなぜ1,000年以上の長きにわたり栄華を極めたかを膨大な資料に基づき,都市生活の核となる「道路」から見たローマ古代史が克明に描かれている。ローマ街道の見事な交通システムと都市の危機管理システムは,ローマ人の資質を表すとともに現代にも相通じることから,まさにインフラの整備にまつまる,歴史に学ぶ人間ドラマがそこにある。この本の刊行後,持ち歩きやすい文庫本が2006年に新潮文庫より上・下巻の2冊で出版されている。建設系学科の学生のみならず,学科の枠を超えて味読してほしいものである。参考までに,これに関係するものとして,現在BSフジにて「テルマエ・ロマエ」(ローマの浴場)で有名な漫画家ヤマザキ・マリがナビゲーターを務める,「ローマ街道物語」(全6話)が昨年来数ケ月毎に放送されており,最終話の6話は10月放送予定であり,是非これも併せてご高覧いただきたい。

図書館ではこの単行書を所蔵

駿:232||Sh 75、船:232||R||10

※表紙画像は紀伊國屋書店BookWebから提供されています。

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