「アメリカ独立戦争において英国領13植民地を最終的に勝利に導いたのは『木』であった」としたら、これまで学習してきた歴史観は揺らぐでしょう。
本書は少しユニークな書名ですが、もともとはYouTubeとニコニコ動画で配信されたきた、マリー・アントワネットとクレオパトラ7世が会話をしながら身近な物品の歴史に関して紹介していく動画を、書籍化にあたって1人称の語りでまとめ直したものです。動画の方が理解しやすいとういう人もいるでしょうが、音声読み上げソフトによる2人の対話が聞きづらいと感じる方には本書を勧めます。
本書ではわれわれの身近にある、ガラス(第1章)、セラミック(第2章)、紙と書物(第3章)、織物(第4章)、木(第5章)、時間と時計(第6章)についての歴史やユニークな出来事が紹介されています。冒頭のアメリカ独立戦争のくだりは第5章にあります。詳しくは述べませんが人類の歴史において「木」は常に需要の高いものであったことが語られています。
私の担当科目である建築、都市計画の関連では、大聖堂のステンドグラスや第1回万国博覧会の水晶宮(ガラス)、綿の国際流通(織物)、合板(木)、世界貿易やGPS(時間と時計)などが紹介されており、歴史的かつ今日的な雑学を知ることで、これらの物品に対する理解がより深まるものと思います。特に英国に産業革命をもたらした「綿(織物)」についてはぜひ知っておいてもらいたい内容です。
また、有名な陶磁器メーカー「ウェッジウッド」を創設したジョサイヤ・ウェッジウッドの孫が(進化論の)チャールズ・ダーウィンであること(セラミック)など意外な蘊蓄を知ることもできます。
今日では何気なく見たり使ったりしている身近な物品が生み出されてきた歴史を知り、講義などでは語られない視点からこれらの物品について奥深く知るために、お勧めの1冊です。

図書館ではこの図書を所蔵
(駿: || 船:204||H )
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