時の権力者と、自らを売り込もうとする建築家との関係が、様々な都市や建築物を舞台に書かれています。著者のディヤン・スジックは、1952年にロンドンに生まれ、エジンバラ大学で建築学の学位を取得した後、ジャーナリスト、編集者、批評家として活躍しています。
取り上げられている権力者は、ヒトラーやスターリン、サダム・フセインなどの独裁者から、歴代アメリカ大統領、ロックフェラーなどの財閥です。ベルリンやモスクワ、ローマ、北京、ニューヨークなどの都市を舞台に、ミース・ファン・デル・ローエやレム・コールハース、レンゾ・ピアノ、ミノル・ヤマサキ、ダニエル・リベスキンドなどの建築家が、どのような経緯で仕事を引き受け、設計を進めたのかが、関係する人々の人間模様として書かれており、読んでいて引き込まれます。
21世紀になっても数多く建設されている巨大建築物の建設背景を考えるのに、ヒントになるかもしれません。