歴史好きな私は電車の中ででも読んでみようと軽い気持ちで購入し、はまってしまいました。塩野さんはローマに在住する作家で、イタリアに関する著作が多い方ですが、このシリーズは圧巻です。「ローマは一日にして成らず」から始まり、時系列的に「ローマ世界の終焉」まで通して読んでしまいました。
人間がどのようにして社会を作ってきたのか、どのようにして世界を広げてきたのかということを深く考えさせられました。ご存知のようにローマは道路、上下水道を整備することが社会を作る基盤でした。紀元前700年頃から始まった社会作りはみごととしか言いようがありません。この中でも第27、28巻(単行書では第10巻)に示された「すべての道はローマに通ず」にはこれらのインフラをどのように作ってきたのかについて具体的に触れており、技術的な観点からも興味深いものです。科学と技術がいかに人の生活を支えてきたのかを垣間見ることができ、是非一読をお勧めしたい大作です。
図書館ではこの単行書を所蔵
(駿:232||Sh 75、船:232||R ||1~15)
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