著者の鈴木光さんは「東大王(TBSテレビ)」や「プレバト(日本テレビ)」に出演し、今春、東京大学法学部を卒業した才媛で、“ファン”を自認する皆さんも多いのではないでしょうか。彼女は東京大学に推薦入学試験によって入学していますが、同時に一般入学試験の準備もしており、模試では常にA判定だったそうです。本書はその時に実践していた勉強法を披露し、さらに成績を上げるためのコツを伝授してくれます。
本書を読むまではもともと頭がよかったのではと思っていましたが、挫折や苦労、努力がたくさん記されていました。大学受験のためのノウハウでもありますが、大学生にとっても日々の学修に役立つヒントがあるように思います。
また、「コラム」では彼女の考え方が示されていますが、その一節に『テレビで私のことを紹介していただく際、スタンフォード大学のプログラムや松本清張記念館の「中学生・高校生 読書感想文コンクール」のことを取り上げていただくことが多いです。そうやって学生への無償の支援を続けてくださっている団体の情報発信のお手伝いができたことは本当にありがたいことだと思っています』とあります。自分がどれだけ優秀な成績を上げてきたかではなく、そのようなプログラム・活動の主催者に感謝し、自分を通してその周知ができていることを社会貢献ととらえている点に感心しました。
本書の内容はぜひ目を通して確認していただきたいのですが、1点だけ紹介するならば、「第1章 知る」は非常に役立ちます。「問題を解くときの4つのプロセスを知ろう」「重要な3つのインプット法を身につけよう」「2種類のアウトプットを実践しよう」の内容は受験勉強を越えて、大学での学修や卒業研究・修士研究の方法論として、資格試験の受験勉強にも役立つと思います。
受験勉強のハウツー本はたくさんあります。皆同じようなことが書いてあることも事実です。しかし、本書は自らの体験をもとに得点力をあげるための方法にまで踏み込んでいる点で役に立つと思います。おすすめの1冊です。
図書館ではこの単行書を所蔵
(駿:379.7||Su96 船:379.7||Y )
※表紙画像は紀伊國屋書店BookWebから提供されています。
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