「大学生の読書時間『０分』が５割に」という新聞記事に，「読書はしないといけないの？」と投書を寄せた大学生に対して，著者の丹羽宇一郎さんは「そんな疑問を抱くこと自体，私にとっては信じがたかった」と述べています。しかしながら，本書は「近頃の若い者は…」といった調子で頭ごなしにして著者一流の「読書論」を展開するものではありません．あらゆるジャンルの本が無数の引き出しを与えてくれた，と著者の成功体験・失敗体験を交えながら語られています。
インターネットを開けば，何でも情報が得られる現代で，読書といういわば「効率の悪い」方法で情報を得ようとすることは，有限な人生を浪費することになるのではないか，と感じている人がいるかも知れません。しかしながら，本書は読書こそ自分にしかない人間としての「軸」を培うのに不可欠であることを教えてくれます。本を読むことに対する疑問・迷いを持っている人におすすめしたい一冊です。

図書館ではこの単行書を所蔵
（駿：019||N 89、船：019||Sh）

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