本書の冒頭、著者は「知性は『生きる力』そのものである」と述べています。これは「知性は『知を行動に変える力』」と言い換えることもできると思います。インターネットが当たり前のように使え、人工知能（ＡＩ）の話題が花盛りである昨今、「知識」をもっているということ、そのこと自体の価値が相対的に下がりつつありますから、時代に影響されない普遍的な知性を得たいということは多くの人が望むところでしょう。
著者は「知性は訓練可能な力である」と言います。本書の中では、夏目漱石、福沢諭吉、西郷隆盛といった「知の巨人」たちがいかに知性というものに向き合い、獲得していったのかが紹介されています。壮絶な苦悩の末に、己の理想にたどり着いた漱石のエピソードなど、常人には真似のできないところもありますが、自分にあった知性のスタイルを身につけるヒントを本書から見つけていただけたらと思います。

図書館ではこの単行書を所蔵
（駿：159||Sa 25、船：159||C）

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