本書は造園の事典でも特に内容が充実している。それは複雑な世の中において，近年環境志向の高まりや，歴史的に形成されてきた景観などの文化財の保護を重視する社会のニーズの変化に合わせ，造園の分野の関わりの飛躍的拡大への対応のためである。造園を実践する行政分野では，生物多様性や環境影響評価などを主とした自然環境保全や，世界遺産や文化的景観の分野においては，各種の制度と施策の広がりは著しい。これに対応して造園の学術・実務分野も生態工学，環境計画・景観保全，造園史・造園原論，住民参加の計画手法，造園空間のデザイン手法などの空間と施設の設計・管理手法，環境教育・自然学習などの環境ふれあい活動，緑化空間の多様化と緑化技術の開発など，多岐にわたって発展している。この飛躍的に拡大した造園の全体像を体系的に示すことが求められてきている。それに応えて学術と技術の全体像を体系的に示したことが本書の重要なポイントである。一読されることを奨める。

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（駿：629.036 ||Z5  船：629.033||Z）

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