おすすめの本

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☆おすすめの本☆ 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか (講談社ブルーバックス) 村上 陽一郎著 / 推薦者:前田知人(短期大学 ものづくり・サイエンス総合学科)

本書は高名な科学史家である村上陽一郎氏による著作の一つで,幅広い視点で「(自然)科学とは何か」について論じたものです。大きく分けて2つの章からなり,1章では「一般的な科学観」に基づき,「データ―帰納―法則―演繹―検証のサイクル」や「知識の蓄積性」,「法則の包含性」といった自然科学の概念上の重要な特徴が極めて明快に説明されるとともに,それに絡む「認識論」が展開されます。他方,一転して2章では著者自身がこの考え方を切り崩し,「新しい科学観」を構築しようとする試みがなされます。
全体を通じて,日本語文章が平易で明瞭かつその構成も秀逸であり,今後皆さんが様々な文書を書くうえで大変参考になると思います。また,紹介者がおすすめする読み方は,本書を「批判的に読む」ことです。書かれている内容を「鵜呑み」にするのではなく,「論理に飛躍はないか」など,自分なりに「妥当性を吟味しながら読む」と良いと思います。
初版が1979年というかなり古い本ですが,科学(・技術)を志す皆さんに,ぜひ一読をおすすめします。

図書館ではこの単行書を所蔵
(船:408||B 59||373)

※表紙画像は紀伊國屋書店BookWebから提供されています。
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