最近，生きている化石として有名なシーラカンスのDNA読み取り(DNA sequencing)が完全に成し遂げられた。その結果，現代の分子生物学は生命の進化の謎にどれだけ迫ることができたのであろうか。現在，ほとんどの生物のDNA読み取りは完了され，DNA配列に隠されている遺伝情報の解読(DNA decoding)も部分的には分かって来ていることから，進化の謎を解き明かす研究は大きく進展している。シーラカンスのDNA配列から明らかになった遺伝的性質が具体的に説明され，分子生物学における進化の研究成果とともに普遍的な生命の遺伝の仕組みが述べられている。ダーウィン進化論では説明のつかないマクロ進化と呼ばれる短期間での大きな進化についての解説はとても興味深い。我々人類も含め，現存する各種の生物たちは，大きな進化と幸運のおかげで過酷な生存競争を勝ち残って来ているのだ。
最後に，ここで使われている用語について紹介者から注意したい。本書に限らず，新聞などのニュースやいろいろな書籍で，“DNA sequencing”を「DNAの解読」と述べられることが多いので，読者は“DNA decoding”と誤解しないよう注意してほしい。

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（駿：467.21||O 33、船：467.21||Sh）

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