おすすめの本

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☆おすすめの本☆ 脳 回路網のなかの精神 M.シュピッツァー著 / 推薦者:糸井千岳(物理学科)

脳科学や人工知能に関する本は数多く出版されています。本書はそのなかの草分け的な存在ですが、脳神経回路網の基本的な動作から実際の脳の現象の本質を理解させるという点において、色あせることのない秀逸の書です。著者は精神科の臨床医として様々な精神病を熟知しているだけでなく、いろいろな人工知能の動作の特徴にも精通しています。本書は脳神経の動作やその学習過程の基本的な性質の解説から始めて、人工知能によるシミュレーションなどの知見から得られる自閉症や精神分裂病(現在の統合失調症)などの病理の本質や、子供の学習過程に対する理解を分かりやすく説明しています。特に、脳科学から見た子供の学習過程の特徴とそれを助ける教育のありかたについての著者の主張には説得力があり、子供を持つ親や教育に携わるすべての人に参考にしてほしいと思います。以前から理工学部でもかなり多くの学科でニューラルネットワークの研究が行われていますが、そのような研究を医者が臨床にも実際に役に立てていることが分かり、紹介者は深く感銘を受けました。

図書館ではこの単行書を所蔵
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